従業員を雇用して
いる事業所なら、必ず押さえておきたい「安全配慮義務」。
この安全配慮義務についての法律と通達を紹介します。
「労働契約法」の第五条で(労働者の安全への配慮)「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身
体等の安全を確保しつ
つ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定められています。
そしてこの「生命、身体等」には、平成24年8月10日に「基発0810第2号」にて「心身の健康も含まれるものである」と通達が発っせられています。
その後、平成27年12月には「ストレスチェック制度」などが開始されました。
50人以上の事業場は、産業医を選任する義務がありますので、産業医に相談することができます。当然、50人未満の事業所でも安全配慮義務はあり、産業医を選任しない50人未満の事業所の場合は、事業主が安全配慮義務を果たすため自ら対応していることが多く、それはとてもエネルギーがいることです。
精神的な問題については、精神科医やカウンセラーなどの専門家に依頼したことがあるかもしれません。適切なタイミングで専門家に頼ることはとても重要ですが、その精神的な問題が業務に関係しているとなると、再発や別の従業員に同様の問題が起こらないように対策を講じる必要があります。このような場合に産業医に相談すると有効な対策を講じることができます。
また、最近は精神的な問題が注目されているようですが、生活習慣病の予防などの基本の健康管理はどの事業所もしっかりとやるべきです。あまりに患者数が多いので安全配慮義務の文脈では取り上げられていませんが、健康経営ブームが成熟すると、しっかりと取り組んでいる事業所では確実に生活習慣病は減ります。対応をしていないところが目立つようになると状況は変わるかもしれません。従業員が糖尿病になったら事業所の責任なんてことになるかもしれません。50人未満では人員の問題で取り組みたくても出来ないということがあるようです。
当所では、事業所の規模によって健康格差が生じてはならないように50人以上だけでなく、50人未満の事業所にも力を入れています。